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川は広く、深い。
しかも、まるで罠でも仕掛けてあるかのように流れが急な場所がある。
人間が泳いで渡る事は難しい。
遠い対岸の美しい風景。森の緑が目に鮮やかだ。
カイは、その風景の中に黄金色の美しい獣を見た。
「カーン」
カイが、ひとこと呟いた。
その美しい獣は、森ライオンと呼ばれるものだった。
遥か遠くの赤道付近の大陸には、大きな猫科の猛獣が住んでいて、その動物がライオンと呼ばれている。
森ライオンは、色や姿が似ているためにこう呼ばれていた。
ただ、本当のライオンは雄にタテガミが生えるが、森ライオンは雄も雌も生えない。
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