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雑貨店を後にしたカイは、友人のアルを訪ねた。
アルとは子供時代からの付き合いで親友と言えた。
アルの家は、エルクノーズの町からかなり離れた場所に在った。馬でたっぷり五時間は走る。
頂きに万年雪を乗せた山々を右手に見ながら、カイは馬車を進ませた。
少し埃っぽい田舎道を登って行くと、目指す場所は丘の上にあった。
丘の上からの景色は開けていた。
アルの家は、草原の真ん中にぽつんと建っていた。
煙突から、煙がゆっくりと立ち上る。どうやら留守ではないらしい。
カイは、馬車を進ませた。
「おい! アル!」
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