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薪が、石造りの暖炉の中で赤々と燃える。
アル家の食卓は、客人をもてなすためにいつもよりも賑わっていた。
「おい! シンディー!何してんだ。お前がいないとカイが寂しがるだろ」
アルが、大声で叫んだ。
「おい、おい、寂しがって無いよ!」
カイは、慌てて否定した。
先ほどとは逆で、今度はカイの方がアルにからかわれた。
その時、二人の会話に割って入ったのは、女性の声だった。
「兄さん声が大きいよ。狭い家なんだから小さな声でもちゃんと聞こえる」
パイが乗った大皿を両手で抱えて現れたのは、アルの妹のシンディだ。
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