森ライオンの懸賞金

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 彼女は、赤毛のお下げ髪の小柄な少女だった。  鼻の辺りのソバカスが、本人の背丈を抜きにしても彼女の印象を幼くしていた。  シンディは大きなパイをテーブルの真ん中に置いた。  こんがり焼けたパイは、食欲をそそる匂いがしていた。  パイを切り分けようとしていたシンディに、アルは話しかけた。 「広い家に住みたいか?」  兄の真面目な問掛けに、シンディは戸惑った。 「なに、兄さん。私の言った事を気にしてんの?」  アルは、妹の問掛けにすぐに答えなかった。  少し間を空けてから、意を決したように口を開いた。
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