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そして、目と耳に意識を集中させていた。
カサ、カサ、カサ
落ち葉を踏む微かな音が聞こえて来た。
カイは、祖父から譲り受けた古いライフルを構えた。
なるべく音が立たないように、ゆっくりと撃鉄を起こす。
狙いは、細い獣道に定まっていた。
肌寒いくらいの気温にもかかわらず、汗をかいていた。
やがて、落ち葉を踏みしめる音が大きくなる。
そして、暗闇に光る二つの目が、カイに迫って来ていた。
カイは、獲物が充分に近付くのを待った。
チャンスは一度きり、失敗は許されない。
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