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「私は水瓶座。妃ちゃんは蟹座。蠍座がいなかったんだよね」
いや、そんなおっとりした喋り方しても納得しないよ?
たしかに、俺の名前には『蠍』が入ってるよ。
この漢字を書くのに、苦労してるんだよね、俺。
じゃなくて!
「それだけですか?」
「そうよ。入ってくれるわよね」
綺麗な笑顔で言われても、探偵部って怪しすぎるし。
でも、こんな綺麗な先輩がいるなら自慢になるよな。
いや、でも、部活自体、入るつもりないし。
ここは少し惜しい気もするけど―…
「すみません。俺、どの部活にも入るつもりな…」
言い終わる前に言葉が出てこなくなった。
――なぜなら
「入りますよね?こんなにも綺麗な先輩が二人で頼んでやってるんですから断らないですよね」
蟹村先輩が首元にハサミを突き付けてるから。
そう。ハサミを。
って、ハサミ!?
つうか、どっから出した!?
それに、『綺麗な先輩』って自分で言っちゃったよ?
あとあと、これはどう考えても頼んでる態度じゃないよね!?
むしろ、脅してるよね!?
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