第1話

病気

その時の私が思っていた事は、最低最悪だった。

何で、一番遊びたい時なのに、お兄ちゃんの為に我慢しなきゃいけないの？

好きな人からデートに誘われたのに、何で断らなきゃいけないの？

私の恋が家族のせいで邪魔されちゃう！

友達とか先輩との付き合いを邪魔しないで！

こういう考えが私の頭に浮かんだのだ。

私は人間的に欠落していて、何て冷たい人間なんだろう。

当時の私の事を今の私はこう思って軽蔑している。

兄の病気が重いものだと知らされなかったとはいえ、こんな考えが浮かんでしまう私は、本当にダメな人間だと思う。

私は、恐らく他の人よりも感情が欠落している部分があると、中学時代から薄々感じていたが、本当にそうだと感じた。