病気

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年が明けた頃、兄の病気の手術が難しいという話を知らされた。 それでも、私にはまだ実感が湧かなかった。 家族の為に頑張ろう、とか、兄の為に頑張ろうとか、そんな事はあまり思えなかった。 父が医師と言う事もあり、父の知り合いで優秀な医師を探し、その人に手術して貰う事になったという。 兄は入院が決まった。 家から車で一時間位かかる所の病院だった。 手術の成功率はかなり低かった。 むしろ、成功するのは奇跡なのではないか、と思うぐらいだったという。 それでも、手術しなければ、死は確定だった。 だから、しの少しの奇跡にかけるということを母と父は望んだ。 もちろん兄も。 この話は、術後に私が聞いた話で、入院してからも私には実感が湧かなかった。
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