第2話

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―数時間後。とあ隊は市街地の中心部の影で黒軍がやってくるのを待ち構えていた。 「まだかな~♪」 由羅が鼻歌交じりだったのに対しタトは戦いなんていやだぁと溜息をついていた。三毛は完全に気の抜けたような雰囲気で微睡んでいる。 「前方敵影!歩兵3騎馬兵4合計7!」 見張りを担当していた者が叫んだ。7という数は消して多くない。こちらの部隊は2部隊で合計12人はいる。だが向こうには騎馬兵がいるというのが大きい。 騎馬兵という単語に三毛は反応するとそちらに視線を向けとある人物に焦点をあわせた。その人物は騎馬兵隊に所属する黒軍の男、三毛である。そう、コードネーム被りである。コードネームが一緒なせいで三毛同士ライバル意識を持っているのだ。呼び分けとしては白軍の三毛猫黒軍の三毛狐というような感じである。 「会敵まで30!」 次の声で全員が装備を構えいつでも戦闘に入れる状態になる。 「突撃!」 とあ隊は気付かれる前に黒軍の部隊に対し奇襲をしかける。その効果は絶大だった。奇襲に驚いた馬が驚いて逃げ出そうとしたのである。騎馬隊はそれを制しようとするものの抑えきれず止むを得ず馬から飛び降りて臨戦態勢に移った。 「奇襲とは卑劣なことをするのだな、同名」 狐は猫を睨みつけながら言う」 「それが戦争だよ」 猫は落ち着いた様子でそれに応えると狐が動く前に鎖鎌を相手の戟に向かって投げた。それによって二人は膠着状態へと陥る。由羅は近場の他の騎馬兵に襲いかかるとツバ競り合いになりながら聞く。 「ユーシアはどこにいるの?」 襲いかかられた騎馬兵はユーシアの側近とも言える新であった。 「残念ながら今日はいないよ!」 言いながら新は戟で由羅の剣を押し返す。 「えー!ゆーしあ今日は最前戦じゃないの!?私来た意味ないじゃん!あの戦うのがだるそうなのに楽しそうにしてるのを歪ませるのが楽しいのに!」 由羅は一気にやる気を無くしたというように後退すると入れ替わりでタトが新の相手に位置取る。 由羅が油断した瞬間横から何かが飛来する。由羅は反射でそれを剣を使って弾いた。由羅が弾いたのはチャクラムだった。弾かれたチャクラムは飛んできた方向に戻ると一人の男の手に収まった。 「待たせたな!」 そこに立っていたのはユーシアだった。 由羅は元気を取り戻すとユーシアに斬りかかった。 「そうそう!そう来なくっちゃ!」
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