第2話

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― 同日。白軍の拠点から少し離れたところにタトはいた。タトは白軍のとある部隊に所属する諜報活動を得意とする特技兵だ。日の当たりにくいビルの影は多少冷える。白い息を吐きながらタトは自分の幼馴染のことを考える。タトには昔幼馴染がいたのだが、高校に上がる時に離れ離れになってしまった。仲の良かった少女のことを考えると戦争というだけで憂鬱なタトの気持ちは更に沈んで行く一方だ。タトは昔その幼馴染が自分に託して行ったサーベルに手を置くとまた大きな白い溜息をついた。 「「タトー!」」 後ろから二人分の声が聞こえタトは振り返る。そこには同じ部隊に所属する二人の味方、由羅と三毛がいた。由羅は剣を腰から提げた少女で戦争で受けた顔の傷跡が痛々しい。部隊では斬り込み隊長の役割を果たす。三毛は猫目に紫の瞳が特徴で鎖鎌を持っている部隊の司令塔だ。 「二人ともどうしたの?」 タトは首を傾げながら尋ねる。 「とあ隊長が作戦会議始めるからタト呼んできてーって」 三毛が答える。由羅はおそらくただの連れ添いだろう。由羅と三毛は行動を共にすることが多くセットのようなイメージがある。 「うん、分かった。じゃあ戻ろっか」 タトは頷き3人で拠点に向かった。
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