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どうして純は、私たちに離婚を隠していたのだろう?
離婚を恥じる感覚は分かる。
私だって夫のリストラと転職は、身内以外には打ち明けていない。
夏実たちにも話す気にはなれなかった。
高校時代とは違うのだ。
バレーボール部のチームとして団結し、同じ汗を流し、共に笑い共に泣き、何でも話せたあの頃とは……。
もうあの頃には戻れない……。
私はいつの間にか泣いていた。
今の不遇を悲観してなのか、過去への郷愁なのか。
涙の意味は、自分でもよく分からなかった。
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