志保子(しほこ)の悩み

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こうなるとレンの気持ちを覆すのは難しい。 引き止めるのを諦めた私は、伝票を手に取って立ち上がった。 中華料理店を出た所でレンは言う。 「ごちそうさま。また電話するよ。じゃーねー」 「うん、またね」 レンは軽く手を振ったあと、私に背を向けて歩き出した。 相変わらずのレンらしい気紛れぶり。 私の口からは溜息が漏れる。 レンの後姿が視界から消えると、私は自宅への道を戻り始めた。
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