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私にメモを渡したレンは、すぐに男性化粧室へと消えてしまった。
声をかけるタイミングもなかった。
私はメモをジャケットのポケットへ仕舞うと、何事もなかった顔で席に戻った。
「志保子先輩、急ぎましょ! 終電が出ちゃう」
二人の後輩に急かされながらバーを出て、駅に向かって走った。
後輩たちと一緒に走りながら、私の胸中はメモのことでいっぱい。
駅の改札を目の前にして、私は立ち止まった。
二人の後輩は、私をじれったそうに見つめて言う。
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