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カラオケボックスを出たあとは……
三人で駅まで歩き、純とはそこで別れた。
帰る電車が、純だけ反対方向だったから。
レンは私と一緒にホームへ向かいながら、名残惜しそうに純の方を見ていた。
私はレンの肩を叩き、冗談っぽい口調で言った。
内心の嫉妬は絶対に出さないよう意識して。
「そんなに見惚れたって、純は結婚してるんだからダメよ」
「人妻を口説くつもりはないよ。それに志保子の友達じゃん」
レンは言ったあと、笑って舌を出した。
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