夏実の動揺-2

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私は五階の廊下を、階段の方に向かって歩く。 エレベーターではなく階段を使って、二階へ下りるつもりだった。 コツコツとヒールの音を響かせて階段を下りながら、胸の鼓動もドキドキ鳴っていた。 二階に着き、純の部屋202号室まで進む。 ドアの前で呼吸を整え、思い切ってチャイムを押した。 誰も出ない。 数回押してみたが、出る気配がない。 部屋にはいないのだろうか……。 私はその場で途方に暮れていた。
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