62人が本棚に入れています
本棚に追加
私は五階の廊下を、階段の方に向かって歩く。
エレベーターではなく階段を使って、二階へ下りるつもりだった。
コツコツとヒールの音を響かせて階段を下りながら、胸の鼓動もドキドキ鳴っていた。
二階に着き、純の部屋202号室まで進む。
ドアの前で呼吸を整え、思い切ってチャイムを押した。
誰も出ない。
数回押してみたが、出る気配がない。
部屋にはいないのだろうか……。
私はその場で途方に暮れていた。
最初のコメントを投稿しよう!