純の誤算-2

28/32
56人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「もう少し聞こうよ。その方が夏実も、この先の判断が出来ると思うの」 「無理よ、帰る!」 夏実は志保子の意見を拒否し、取り乱したようにバタバタと店を出て行った。 夏実がいなくなり、残された私たち三人は、しばらく誰も口を開かなかった。 沈黙を破り、美弥が感情的に私を責める。 「純、酷いよ……。夏実がかわいそうだよ」 「でも、詳しい話を聞かなきゃ分からないじゃない? 隆一さんの気持ちとか行動だって、私は気になるし」 志保子は美弥と違って冷静に言った。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!