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「もう少し聞こうよ。その方が夏実も、この先の判断が出来ると思うの」
「無理よ、帰る!」
夏実は志保子の意見を拒否し、取り乱したようにバタバタと店を出て行った。
夏実がいなくなり、残された私たち三人は、しばらく誰も口を開かなかった。
沈黙を破り、美弥が感情的に私を責める。
「純、酷いよ……。夏実がかわいそうだよ」
「でも、詳しい話を聞かなきゃ分からないじゃない? 隆一さんの気持ちとか行動だって、私は気になるし」
志保子は美弥と違って冷静に言った。
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