夏実の誤算

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いつかは、昔のような関係に戻れると信じたかった。 いつか優しく情熱的に抱いてくれることも望んでいた。 私はこの10年間、一度だって他の男性に気を移したことなどない。 ずっと隆一だけを想ってきたのに……。 酷い! 酷すぎるよ! 隆一も純も酷すぎる! 声に出して叫びそうになった時、再び携帯が鳴った。 カーペットの上、すぐ傍に転がっている携帯を手に取る。 今度は志保子からの電話だ。
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