第1話

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僕と雅ちゃんはいつも一緒だった。 夜寝るときは、 僕はゲージの中。 雅ちゃんはお父さんとお母さんと一緒だったから、 ちょっと寂しかったけど、 それ以外は、 いつも雅ちゃんの傍にいたんだ。 あ、そうそう、 僕がキュイって呼ばれるようになったのは、 うちに来た夜から、 しばらくの間、 夜、キューキュー鳴いてたからだって。 知らないにおいばかりで、 ちょっと怖かったのを覚えてる。 だけど、 ミルクのにおいのする雅ちゃんが可愛くて、 いつも一緒に過ごしたんだ。 雅ちゃんは、 そのうちに立ち上がるようになって、 ちょこちょこ歩けるようになって… 僕も立ち上がれるかと試してみたけど、 すぐに前の手を着いてしまうんだ… どうしてだか、 解らなかったんだ。 でもいつか、雅ちゃんのように、 立ち上がって歩けるようになるんだって信じてた。 だけど、 違うって解ったのは、 チャコちゃんがうちにやってきたときなんだ。
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