好きな人

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「まだ、殆ど口にしてないだろ。」 そう言ってくるけれど、 「・・・。」 相変わらず、無視を突き通すから 「なら、口移しで食べさせてやるよ。」 手元にあった、ドリンクゼリーを口に含み近づいてきたから 「んーっ!ちゃんと食べるから。」 彼の顔を押しやる。 すると、ゴクンと彼の喉が鳴る音。 飲み込んでくれたようだ。 「…もう笑わねえから。ん。」 私の口に人差し指を入れて開け、チューブを咥えさせる。 少しずつ口の中に流し込んでくれ、時折それを離して ”まだ、飲めるか?”と訊くから、コクンと頷き 最後まで飲み込んだ。 すると、それを見ていた健吾くんが 「…お前ら。イチャつきすぎだろ。」 顔を真っ赤にして、そう言い 「…見てるこっちが恥ずかしいわ。」 英玲奈が続けてそう言う。 イチャついてなんかいないと思うんだけど…。 ”どこが?”と不思議になって、首を傾げれば 二人同時に溜息をつかれた。
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