好きな人

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「もう、お前ら付き合えよ。」 健吾くんが”見ててじれったいし。”と、そんなことを言う。 無理な話だ。 彼には新しい人がいるのを知らないのだろうか。 健吾くんにも言いたくないくらい、大事にしてるとか…かな。 「…そんなの無理だよ。」 私がそう返せば、切なそうな視線を向けてきた蒼甫。 なんで、そんな顔するの…。 「おい、健吾のせいで俺、またフラれたんだけど。」 「ハッハッハ。」 「これで3回目の記録達成ー。」 「お前、すげえな。」 「俺、どんだけ嫌われてんの。」 …別に嫌ってないけど。 「…軽いとことか大っ嫌い。」 ムッとした表情でそう返せば 「それ以外は?」 「…全部大っ嫌い。」 本当は、大好きなのに。 「俺は七々実の全部好きなんだけどな。」 「…そういう軽いとこが嫌いなの。」 「どこが軽いんだよ。」 「軽いじゃん!」 「・・・。」 喧嘩になりそうだと察したのか、彼が黙った。
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