好きな人

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「俺のこと好きじゃなくなったってことも・・・。」 苦しげにそう呟くと、耳朶をカプッと噛まれ…。 いつもなら、甘噛み程度のそれも 比べものにならない程の何倍もの強さだ。 痛みに思わず体が反応して、 ジタバタと足掻くが全く敵わない。 所詮、女の力など簡単に男に封じられてしまう。 強すぎるほどの力で噛まれた耳朶から、 ぽたっと首筋に何かが垂れる感触がした。 それに気づいた彼が、耳朶を解放し 首筋をペロリと何かを拭うように 舐め上げている。 愛おしそうに。 「七々実・・・。」 全身をきつく縛られているせいで 痛みに耐えているのが精一杯。 彼に呼ばれても返事をすることが出来ず。 意識が朦朧としていくなか、聞こえたのは…。 「なんで・・・そんな嘘ついたんだよ。」 私の耳元で小さく苦しげにそう呟いた言葉だった。
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