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列の先には部屋が待ち構えており、そこに生徒が1人ずつ吸い込まれては30秒もしないうちに吐き出される。
「じゃっ、行ってくるわ」
元の邪悪な笑みに戻った隼人は一言告げて部屋に入っていった。
……。なにこれ凄い緊張するんだけど。 ドキッドキが止まんない、多分不整脈。 病院行かなきゃ……。 いやそんな余裕ないし救急車! それもダメだ間に合わない、この中にお医者様はいらっしゃいませんか!?
こんな頭の悪いシミュレートしても当然落ち着くわけもなく1人でおろおろ。 後ろからの視線が痛い。
隼人くん早く帰ってきて! そんな願いが通じたのか部屋から出てきた。
オレの顔を見るとふっ、と鼻で笑って一言。
「外で待ってっから」
さっさと外に向かって歩き出して行った。
……ちょっと彼冷めすぎでしょ。 もうちょいアドバイスとかあるじゃん。
その背中を見送っていると、彼とすれ違う女子は頬を染めひそひそと話し出し、男子は尊敬の眼差しで見送る。
やっぱり凄いやつなのかな、と思うと同時にこれが終わったら1発ビンタしようと決めた。
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