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「こいつったら小さい子が迷子になってるっていうのに飴玉1つ渡して帰ろうとしてんのよ!? 信じられないわよ!」
「……」
思わず言葉を失った。 オレの方が信じられねぇよ……、なにこの下らない口論。 飴玉渡しただけいい奴じゃねぇか。
ピンク色の髪の小さい子の方に目を向ける。 オレに見られて驚いたのかピクッと少し肩を揺らした。 小さいと言っても小学生くらい、いくら迷子と言ってもそんな騒ぎ立てるほどのことでもないような気がするんだが。
「うるせぇな少し黙ってろ」
まだぶつくさ文句を垂れてる少女に流石に隼人もイラっとしたらしく、強く、そして冷たい口調で言い放った。
「そ、そんなに強く言わなく……たって……」
金髪少女からふぇっ、ふぇっ、っと嗚咽が漏れ始め目に涙が浮かぶ。 え?泣いちゃうの?
金髪少女が泣き始めから群がってた人だかりも居心地が悪くなったのかいつの間にか解散していた。
「あー、悪かったから。 ほら行くぞ」
めんどくさそうに隼人がぐずってる金髪少女の手を引いて歩き出す。 オレともう1人の女の子もとりあえず2人に続く。
もう何がなんだか……。
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