しかし実力が足りない!

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「……5」 「5? ……あぁ、500か。 平均位じゃねぇか、よかったな」 隼人の笑顔が眩しい。 何を勘違いしたか100倍になってた。 というかそれで平均なのかよ……。 「だから5だって……」 「……」 いや何か話してよ、そんな視線泳がせないでよ。 他の2人を見ても顔を背けられる。 笑えないほどヤバイのか……。 隼人が絞り出す様に答える。 「……とりあえず何か使ってみろよ。 総数は使えば使うほど増えるから」 なるほどな……。 今は隼人の言葉を信じて使いまくるしかない。 火は危なそうだから水だな、よし。 目を閉じ、集中する。 視線が集まるのを感じるが今は気にしてられない。 保健室の時を思いだせ! 全力で力を込めろ! 「……うおおお!」 しかし何も起こらなかった! そんなテロップが流れてそうなくらいに何も起こらなかった。 「……ひ、光さんはそもそも魔法の使い方を知らないんじゃないんですか?」 震え声で聞いてくる奏多。 「出し方なんてあるのか?」 オレの返事を聞いて安心したようにため息をつく3人。 知ってて出せないのはマジでヤバイのか……。 「でも、魔法の使い方も知らないなんてあり得るの? 魔力も異様に低いし……」 遥がぶつぶつ言いながら考え始める。 また説明しても直ぐに信じなさそうだしめんどくさいな。 「光は特別な環境で育ってな、魔法との一切の関わりを持たなかったんだ」 一息ついてから説明しようと思ったんだがそれより先に隼人が遮る。 ざっくり言えば隼人の説明は間違っていないがあえて隠そうとしたような気がした。 それにこいつは初めて会ったときに、どんな田舎でも魔法を知らないやつはいない、と言っていた。 嘘だと気づいているのか分からないが、ふーん、と遥は納得したようなしてないような相槌を打ったがそれ以上は聞いて来なかった。
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