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巻かなかった世界から戻り、草笛みつと共にアリスゲームの現状を整理した。
その翌日、桜田家の庭での茶会の席にて……
「集まってくれて、感謝致しますわ、お姉様方。」
「……は?」
「きゅ、急に改まって……どうしたのかしら?真紅。」
「このタイミングで、金糸雀を呼んでお茶会と言うのも妙だとは思ったけれども……」
「何か、翠星石達に伝えたい事が、あるのですか?」
「えぇ。今を逃せば、伝えられないと思ってね。……私の、アリスゲームの事を。」
「前から言っていた事だね?聞かせてもらおうか、君のやり方とやらを。」
「誰一人として、置き去りにしない事、そして誰一人として独りにしない事。それが、私のアリスゲーム。」
「独りにしない事、ですか?でも、アリスが誕生する時には……」
「ローザミスティカの、再分配、かしら?」
「えぇ。近いうちに起こるであろう、雪華綺晶との戦い。其処で全てにケリがつく気がするの。私が、アリスに成れたら……」
パァン
乾いた音が響く。
真紅は何事か、と言った表情で、今し方自分の頬を叩いた、金糸雀を見つめる。
近くに居る、翠星石は狼狽え、蒼星石は何かを考えるような表情だ。
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