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「……」
「真紅にしては、浅はかだったね。」
「けれども、貴方の考え自体には、賛同するわ。何度も言うようだけど。」
「少し、自分への配慮が足りなかった。『誰一人として独りにしない事』、この誰一人としての中に自分は入っていたかい?真紅。」
「お父様がアリスに会った時に、どうなるのか、わからないけど、もし、お父様がアリスの願いを叶えてくれるのならば……」
「もう、良いのだわ。その仮定の下で、私のアリスゲームを考え直し、願いを変える。私自身も、独りにならないように。」
「それで良いかしら。」
「有り難う、金糸雀、蒼星石。貴方達に話しておいて、良かったと思う。」
「どういたしまして。」
ひとしきりの話を終え、時は過ぎた。
「紅茶が冷めてしまったわね。」
「あ、翠星石が煎れて来るですよ?」
「いいえ、今日は自分でやるわ。」
静寂の中、四人の薔薇乙女達による、優雅な茶会が再開されるのであった……
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