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うーーん。
席、空いてないんだよねぇ。
どーしよっかなぁ。
私は、ぼーっと次に空きそうな席を見渡した。
「向井さんですよね?よかったらここの席どうぞ!すぐ席空けますから」
見知らぬ二人の男性社員が席から立ち上がったので、ラッキー!と思い満面の笑みを浮かべた。
「ありがとうございます!満席だったから!助かりました」
そう言って私が彼等にお辞儀をすると、男性社員はそそくさと席から立ち去った。そして、香織先輩がこっちに向かってくる姿が見える。
「せんぱーーい!ここ空きましたよ!」
「あたしの作戦通りね!!」
「もしかして、私のこと使いましたね?」
「あったり前じゃない!なんの為のその顔よ!すみれちゃん?使えるときにその容姿は使っておかなきゃ損よ?あ。そういえば!ごめん!ごめん!メニュー聞いていかなかったよね!?日替わりでよかった?てゆーか、もう頼んじゃったけど!」
豪快にその華奢な両手で日替わり定食を持っている香織先輩が面白すぎて、私は思わず笑ってしまった。
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