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会社帰りの居酒屋にて、私、向井すみれ26歳の正面にふてぶてしく座るのは、高校からの腐った縁の持ち主。
彼の名は、市原唯。
彼は高校次代の同級生で大学は別々だった。しかし、なんだかんだでもう10年の付き合い。
友達というか腐れ縁というか似た者同士というか。
ただ、彼は私にとって『理解者』だっていうことは間違いない。
友人達のめまぐるしい就職活動の最中、私はすんなりと今の会社に内定。
この御時世のありがたい話を唯に自慢してやろうと飲みに誘うと、ニヤリと笑われ一言言われた。
「お前だけじゃねーぞ」
まさか、同じ会社だったとは。
この腐れ縁いつまで続くんだろうと、あの頃はそんなことを思っていた。
会社に入社して月日は流れ、いまだに彼は私の側にいて、いつまでたっても変わらない私達。
この心地好い関係がいつまで続くんだろうと、そんこと考える私の思考はいつまでたってもあの頃と同じだった。
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