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「え?朝イチ会議?私も、そのセリフ一度は言ってみたい!!」
ニヤつく私に彼は一言。
「お前、バカだろ?」
唯はスッと立ち上がり、私を哀れんだ目で見下ろした。
「ほら、早くしろよ。おいてくぞ」
二人でお会計を済ませ外に出ると、外の空気は少し冷たくて、そろそろ冬になろうとしている季節。
すーっと頬と髪の間を通る風が心地好く、二人並んで路地を歩く。
「でさぁ、さっきの話さぁ」
唯は自然に話を戻したのだが、私はさっきの『バカ』の一言が心に引っ掛かり、仕返しをする。
「え?別にもういいんじゃなかったの?」
途端、ニヤニヤしてしまった私。
「お前なーー?」
唯は大きなタメ息を吐いた。
「三浦と小松の結婚式。お前、友人代表のスピーチ考えた?」
小松こと、小松希美は高校からの私の親友で、三浦こと、三浦政人は唯の幼馴染み。私は、みんなと高校で出会った。あの頃はよく四人でつるんだもんだと、そう思いながら会話を続けた。
「まぁ、ぼちぼち」
「全然考えてなかったろ?」
「はい。おっしゃる通です」
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