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ミチヅレ
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嫌に肌にまとわりつくじめじめした空気。
辺り一面から漂う草木の青臭い匂いの中、ただひたすら自分の足と地面に茂った雑草が擦れる音だけが耳をつく。
だいぶ目は慣れてきたが、暗闇のせいでかなり近寄らないと木がどこに生えているかさえ確認できない。
「どこ―!どこにいるの―!」
聞こえてくるかもしれない返事を聞き逃さないためその場を立ち止まったが、ブーンという虫の羽音しか聞こえてこない。
蚊だろうか。気持ち悪い。
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