time3

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ヴヴ…と着信音の振動がズボンのポケットの中で震える。 『こいつらの相手終わったらすぐ行くから』 愁からメールがきた。 それには帰さず携帯の画面を撫でた。 ―――俯いて歩いていたせいで人とぶつかってしまった。 「ごっ…ごめんなさい」 慌てて顔を上げた。 ―――え…? そこにいた驚いている人物…。 地毛の陽に当たって眩しい茶髪は懐かしくて、とても会いたくて会いたくなかった人――― 何でここにいるの…? 「希聡……?」 「…………」 口が震えて上手く声が出ない。 「な……ナツ…」 数秒お互いに凝視していたけれど…高い声が間に入り、それは終わった。 「ナツ~?どうしたのぉ?行こうよぉ」 ―――――…。 僕より…柔らかそうで…僕より…ナツとお似合いで…そっか…そういうことか。 ナツは嫌々僕といたんだね。 何でここにいるのか分からないけど、一刻も早くここから離れたくて走った。 ――帰ってきたんだね。 でもナツが別れを切り出した理由が、彼女を見つめる目が物語っていて……もう、会わないようにしなきゃ。 .
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