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「お待たせっ……どした?」
「あっ…ううん、何でも」
「そっか…行こうか」
ここからの距離なら歩きで充分に着く。
やっぱり愁はモテるね。
女の人の視線がたくさんくる。
「愁モテモテ」
「はぁい?いやいや、少なからずお前にも向いてるぞ?」
いやいやいや、そんなわけないから。
地味ですよ僕は。
そんな会話をしながら愁の家に着いた。
周辺の家より相変わらず清潔感のある家だよね…。
「今おばさんとかいるの?邪魔にならない?」
「ババァと弟がいるね。邪魔って思うなって言ったっしょー?家は希聡なら大歓迎だからねぇ」
ば、ババァ……。
そんな、自分の母を当然のように。
「弟くんいるんだ。何ヵ月振りだろ」
「むー、久しぶりに会うからって裕太ばっかに構わないでよー?」
「なに拗ねてんのさ」
「まぁいっか…。裕太に取られないようにすればいいだけだし…。入ろうぜ」
ブツブツ言って何言ってんだろ。
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