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しかし。
「お母さーん?兄ちゃん帰ってきたのー?」
という声におばさんの黒い何が引っ込んでいったのだ。
…正直に言って怖かった。
「あ!希聡だぁ」
弟くんは今中学生。
結構愁と歳が離れてると思うんだけど良く似ていて二人とも仲が良い。
ばふっと走ってきた裕太(ユウタ)くんは僕に飛び付いてくる。
「こらてめっ…」
「はいはい。希聡君の取り合いなら愁の部屋でやりなさい。後でおやつ持ってくわね~、希聡君もごゆっくりしていってね」
「ありがとうございます…」
おやつとは…懐かしいなぁ。(しみじみ)
ありがたいです。
「希聡!見て見て、テストで百点とったの」
「――えっ!?すごっ…中学ってそれなりに難しいと思うんだけど」
裕太くんは愁の弟でもあってか極度な人見知りの僕でも親しく話せる仲。
「希聡ー、オレも構って?」
愁は玄関前で拗ねてた顔に戻ってジトッと見てきた。
よしよし…。
「あ、気持ちいい。愁の髪」
「……ずっと撫でてていいよ」
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