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もういいよ、と裕太くんの声がしてやっと両手から開放される。
「お、おばさんだったんだね」
「悪いな。あのババァ腐ってっから…」
「腐っ………?」
「希聡は純粋なままでいて」
二人の言う事がよくわからなかかったけど家族内での話かと自分で解釈した。
それからというもの、僕は夕方には帰るつもりでいたんだけどおばさんと愁達が、どうせ一人暮らしなんだから夕食食べていってと言ってきてくれて。
断ったけど何度も誘ってきてくれたのでお言葉に甘えて僕は美味しい夕食をご馳走になった。
「御馳走様でした」
ペコリ、頭を下げて帰る仕度をする。
愁から僕の家(アパート)はそんなに遠くない。
「また来てね!そして私に萌えを…」
「送らなくて大丈夫か?」
何やらおばさんを黙らせた愁が心配そうに言ってくる。
大丈夫だって言ってるんだけどな…。心配性だね。
「大丈夫。僕もう二十歳だよ?まぁ何かあったら連絡させてもらうけども」
「む…うん。気を付けてな?また明日。連絡来るの待ってる」
…それは一番駄目なヤツでしょ?恐ろしい子…!!(笑)
「希聡またね」
裕太くんにも挨拶して、僕は家に帰っていった。
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