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地面に座り込むように崩れ落ち、愁もそれに合わせてしゃがむ。
僕の過呼吸は…精神的にくるものだと医者が言ってた。
「大丈夫か…?良かった、間に合って…」
―――あれ?
「愁…?何でここに…」
あの女の子達といたんじゃないの…?
何でここにいるの?
「いや…お前返信くれないし…、なんか珍しく走っていったのが見えたっていうか…」
心配だから追い掛けてきた、と言った。
「ご、ごめん…」
「いんや、いいよ。過呼吸っていつ以来だっけな…何かあったのか?」
…愁にあまり心配かけたくない。
だって愁は愁の時間があるんだもん。
僕だけが愁の時間をとるなんてダメだから。
「―――…ううん…何でもないの。心配かけてごめんね。それから…ありがとう」
「……走ったのは?」
鋭い…、でも答えられない。
僕も彼がここにいるなんて認めたくない。
黙っていると愁はゆっくりと口を開く。
「…お前が言いたくないなら言わなくていいから、でも…お前が限界になった時はオレを頼って?」
そう言う愁に静かに微笑んだ。
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