五日目の出逢い

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目が合った時には凛子は走り出していた。 走って、走って、校門にたどり着くと足を止めて、上がった息を整えた。 「はぁっ…私…何やってるんだろう…」 目が合ったくらいで何を慌てているのだろう。 後ろめたいことなど何もないというのに。 少し混乱した頭の片隅に先程の少年の姿が浮かぶ。 少年は凛子とは違って、小麦色に日焼けしていた。 がっしりした肩、体にはしっかり筋肉がついていた。 鼻筋が通っていて、黒目がちの目はどことなく犬を思わせる。 女の子に人気のありそうな顔立ちだ。 それだけで凛子は自分と彼は全く別の世界にいるように思われた。 (もう、プールには近づかないでおこう) もともと自分とは相性の悪い場所なのだ。 そんな場所にいる人が自分と同じような人間なはずがない。 なんとなく重い体を引きずって、凛子は校門を出て行った。
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