泡沫の夢

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抱き締められるような感覚に私は目を閉じた。温かくて、懐かしい感覚。 何時の日からか、忘れてしまった感情。 「死にたいと思ったら"オレ"を呼べばいい。前のように一緒に考えよう。どんな方法が良いのかを」 「うん」 「まだ、死にたい?」 彼は私に問い掛ける。私は首を縦に振った。 「うん」 「じゃあ、考えようか」 最初から答など解っていただろう。本当に嬉しそうに彼は笑んだ。より一層強く私を抱き込む。 私は、彼の抱擁に甘えた。
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