第1話

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「この不良、馬鹿!アホ!人間魚雷!」 人間魚雷ってあのなぁ… とか思っている周りから、瀬戸さん勇気あるねー、全くふざけた人間も居たものだ、等と言葉が聞こえてくる。全くあの超天災の隣に居ると俺まで人間魚雷扱いかよ。 俺が不満そうな顔をすると雫が話し掛けてきた。 「ごめん。此処まで悪く言うつもりは無かったの…」 と、雫が言ってきた。きっと周りの反応で俺が不満そうな 顔をしたから申し訳なく思ったのであろう。 昔からだ。自分が悪いと感じると涙ぐむ。幼馴染みだから分かる。てか、大きくなったら治るものだと思ってたが、ただ破壊力はましただけだった。 可愛いらしいから怒る気になれないのだ。神の気まぐれは時に凄まじいと思った一時でもあった。 「気にするな。俺は気にしてないから、そろそろHRだ。席に付いた方が良い」 そう言って頭を軽く撫でると顔を真っ赤にさせて、「分かっているわよ!」などと言って席に戻っていった。 乙女心は分かんないな。 そんなこんなでHRを終えたあと、俺は屋上で白銀と適当に寝ていた。 「暇だな」 こう、白銀は呟いた。 「じゃあ、授業でも受けてろよ。今日の機械の授業は新しいBSを作るんだってよ」 BSとは時雨の元々名前である。バトルシップの略称らしい。 「転送装備形戦闘マシンか、俺には関係ないな。旧世代の乗組形なら面白そうだけど」 転送装備形とは新世代の科学で産み出した機械である。登録者の命令によって、部品を転送しそれを装備して戦うものだ。ただこれには弱点があり、顔や胴のパーツは送れない。転送には重量と大きさが関係してくる。顔や胴の部位は転送出来るようにすると大きさや重量が増して送れない。人一人を転送するのに東京ドーム1つほどの大きな機械を必要とする。 それを細かく別けて部位ごとに転送し装備する。良く考えられたものだ。でもその弱点はプラズマシールドと言うもので守られている。機械のエネルギーの一定量をプラズマにし体を覆う。エネルギーが尽きない限り一定量のダメージなら防げると言うものだ。
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