第2話

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「罪人、ナターシャ・ビレン・ロマノフ!この者、一、伯爵家の身でありながら、国家の血税を私利私欲のために~・・・」  近くで叫ばれているのに、なんだか遠くから聞こえる男の声を聞き流しながら、処刑台に拘束された少女、ナターシャ・B・ロマノフは、どこまでも澄んだ空を眺めて、今までの自分の人生を振り返っていた。  国家を担う伯爵家の娘に生まれ、その名に恥じないよう生きてきた。礼儀作法のレッスンは欠かさなかった、経済についても理解する速度は兄ほど早くは無かったが、それでも必死に覚えた。この国の顔である貴族として、時には冷徹に見える事もあっただろ。  だがナターシャは、水が豊かで、明るい民の居る美しい、父のおさめる領地が好きだった。 (村はずれのノームさんの家のノリス、もうすぐ立って歩けるようになるって言ってましたけど、見れそうに無いのが残念ですわ。)  父に連れられて、農民の皆と作物の種蒔きをするのが好きだった、桑を使って畑を耕した時に手に肉刺が出来たけど、達成感があった。皆で笑って食べたサンドイッチは美味しかったのを憶えてる。 (今となってはどうにも出来ませんけど、今でもわかりませんわ。何故、憶えの無い罪でわたくし達は殺されるのか・・・)  他の国がまず先に見る貴族として、威厳を保つように衣服は吟味したが、数着を着回し着こなして節約していたから、豪遊した憶えなど無かった  父が、民をさらって奴隷にしていた貴族を潰した件は、どうして私達のせいになっているのだろう?  村が盗賊に襲われて村民が殺されて、私達がどれほど涙を流したか  確かにナターシャの婚約者は美男子だったが、婚約を持ちかけてきたのはむしろ向こうで、両家の結びつきで国が案対する為ならと引き受けた婚約だった。それが、何故嫌がる相手を権力を使って無理やり、となるのか、ナターシャは理解できなかった。  事実、ナターシャは婚約者の事がそこまで好きではなかった。会話らしい会話も、公の場での事務的な物ばかりで、はべらせた事など一度も無かった。

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