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風歌が神からの手紙を読み溜息を吐いていた同時刻、風歌達が居なくなったキガサ国の王城に設けられた一室。そんな一室を与えられた1人の少女が、錯乱でもしたかの様に髪を掻き乱し声を荒げていた。 「いったいどういう事!?なんで?今までこんな事なかったのに!」 本来ならば可愛らしいといった外見を、表情と動きでかなり残念な仕上がりにしているこの少女、他でもない、神からの手紙に書かれていたA氏である。 「あんな”イベント”知らない!なんなの!?あの黒いの!本来ならあそこで”あの女”が死んで、それでやっと”あの人”が出てきてってなる筈なのに!」 「いくら待っても”あの人”は出てこないし、最近メンバーの態度も何処か余所々しいし・・・」 親指の爪を噛締め1人ブツブツと漏らす彼女は、周りに何時もの様に人間が居ないせいか、普段の彼女を知る人間が居たら二度見するレベルに濁った瞳を凶悪な表情を浮かべ部屋を一周二周と歩き回る。 「”この世界”は私の為の世界でしょ?何で思い通りに行かないの?ちゃんと”攻略サイト”にあった手順でやって来たのに、今までソレで上手く行ってたのになんで・・・・」 「なんであの人は私に会いに来てくれないの?その為にあんな男共に媚売って動かしたり、あの女を嵌める為に頑張ったのに・・・なんで?」 なんでなんでと繰り返し、部屋を10周した所で、まるで螺子が切れたブリキの人形の様に少女の動きが止まる。
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