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血飛沫を上げる江雲寺を見て、客は息を飲んだ。
『終わった。』
誰もがそう思った。全身を鉄棘に貫かれたのだ、計り知れない痛みとダメージである。
「まだ、まだぁ…!」
「!?」
そう思っていたのは、ロードも例外ではない。だが現に、目の前の江雲寺は血塗れの笑みを貼り付けていた。
「クハハ!!今の俺に、常識なんて通用しねぇぞ!?」
ドギャッ!
地を蹴る、地面が抉れる、江雲寺の身体が加速する、そうしてロードは吹き飛んだ。
ドゴォオォンッ!!
「カッハァ!!」
思わず胃から逆流したモノ吐いてしまう。魔力を纏っていながらそれ程に身体へのダメージは凄まじかった。
「【身体強化/零式】…こいつもリミット制なんだわ、早ぇとこケリ付けてやる。」
「ゲホゲホッ!…っぐ!!」
両雄は傷だらけながらも、立ち竦む。敵愾心を剥き出しにそれぞれ構える。
「【神足】!!」
(っ!最上級の身体強化!?)
ギャウッ!
ロードはその名の通り、神の如き速さで江雲寺に迫った。
「【ボルスレット】!!」
ボボボッ!
紅蓮の連弾は見事にヒットするが、今の江雲寺にその程度の攻撃は小石を当てられた位にしかならない。
「おいおい、これで俺に上等カマす気かよ、あ?」
「【トライデント】!!」
「!!」
遠くで待機していた三又頭の龍はそれぞれの口内から魔力砲を放った。
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