ーτραγωδiαー

5/15
2640人が本棚に入れています
本棚に追加
/423ページ
人知れず人気者同士のビッグカップルが夜に誕生していたその頃。 「行っちゃいなってぇ~!早く早くっ!」 「え?え!?いや、ちょっと、アワワ…!」 何故か若槻はゼルシムとセシル、そして鳶雄に捕まっていた。 「アンタ、あれだけレオンと一緒に居てまだ告白してなかったの!?美しくないわね!」 「だって、レオン君に嫌われちゃったら、私…ブツブツ…」 「ゼルシム、あんまり言うなさ。この子はそう言うタイプじゃないさね。」 「む、そうかしらね。アタックはかなりしてるようだけど?」 「大体鈍感なレオンが悪ぃんだろ、あんだけ一緒に居て何で気付かねぇか、試合の鋭さを少しは日常でも使えってんだアホが。」 そう言う鳶雄は少しだけ複雑そうだ、これはもしや… 『鳶雄、もしかしてアンタ若槻の事が好きなのかしら?』 「あぁっ!?ばっ…ブッ殺すぞゼルシム!!」 「?どうしたの鳶雄君。」 「あ、いや、何でもねぇよ…」 若槻と話す時だけ常の刺々しい口調が丸くなる、これは確定である。 「フフフ、鳶雄顔が赤いわね、ヤンキーも恋するのねぇ~?」 「っだとこのクソ髪女が!」 ブンッ! 乱暴に豪腕を振るうが、赤面し動揺した鳶雄の攻撃は容易くゼルシムは避けられた。
/423ページ

最初のコメントを投稿しよう!