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ガラガラ…
叩きつけられた江雲寺は抉れた地面を握り、立ち上がった。
「ごほ…ゴホッ…!くっそが、魔法のクオリティまでムカつく程に高ぇな。」
「………チッ。」
ロードの涼し気な表情に苛々を溜め込む。すんなり立ち上がった江雲寺に苛立ちもそうだが、一つの違和感を感じたから。
「むんっ…!」
バゴッ!
力強く脚を躍動させ、勢い良く跳躍する。
「【ディープ・インパクト】ぉ!!」
無属性の衝撃波を勢い良く力任せに放つ。流石のロードもあの規模の攻撃は受け止め切れないと判断し、横に飛んだ。
「【大輪光】」
「っぐ!?」
ビュオッ!
光の輪を放つ。江雲寺は避けられずに輪に胴体と腕を締め括られる。
がキィ。
「くそッ、捕縛系か!」
「一つ、聞かせてくれないか。」
「!!」
いつの間にか江雲寺の頭上を待っていたロード。スマートの戦い方を好む彼にしては珍しく、拳に高濃度の魔力を纏っていた。
…その濃度は既に【臨界点】。
「【極拳】。」
ゴギャアッ!!
脳天から、叩きのめして勢いそのままに地面に突き刺した。
「何故、君のような弱者が‘‘この舞台に”立っている?」
早々に、勝者の空気を纏う彼の表情は自信と威厳に満ち溢れていた。
放った言葉は純粋な疑問、嫌味でも何でもなく、ただ本当に気になったから聞いた。ロードは試合開始前からずっと感じていた…
「江雲寺 良河、君はこの舞台に立つには弱過ぎる。」
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