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「むんっら!」
バキィン!
「………ほう。」
江雲寺は迫る光弾を片腕だけで弾いた。
どうもおかしい。ロードがそう思った時には、江雲寺はいつの間にかロードの真後ろにいた。
「っ!?」
「腹が減って力が出らんわぁ!!」
「フルンティン!!」
ドゴォッ!!
紅い剣を溶かし、瞬時に壁にして防いだ。
壁を剣に戻すと、一旦距離を置く。
ロードはチラリと客席にいる若槻に視線を移す。それに気付いたか、若槻はゆっくり縦に首を振った。
「貴様…常人と身体の構造が違うのか。」
「へぇ、もう見抜いたか。まぁ、構造っつーより、『備え』だな。」
「…どういう意味だ。」
江雲寺は半分を肯定し、半分を否定した。
江雲寺は顔を手で隠し、堪えて切れない笑い声を漏らす。
「腹ぁ減ったな……?」
「何?」
ニヘラと笑い、ボックスより出したのは…
「…?何の冗談だ。」
「っせぇ、腹ぁ減ちゃ戦はできねぇだろうが。」
取り出したのは食物。ハンバーガーに菓子パン、どこから買って来たか、骨付き肉に焼きそば、屋台で買ったであろう物も散在していた。
「便利だよなぁ、【ボックス】って。こんだけの量を簡単に収入できんだからよぉ?」
最先端の魔具を褒め称え、豪食を始めた。
バグッ!
「っ…」
ロードは、いまいち状況が理解できなかった。
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