第13話ーTriDecaー

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ドバァッ! 腹部に走った深い裂傷から溢れ出る鮮血。鮮やかで惨たらしいソレはドロドロとアスファルトを染める。 「グパ、ァッ…!?」 口からも溢れるソレは、確実に江雲寺を苦しめる。 チン。 剣が鞘に収まる音は、不釣り合いな程に呑気だ。 「貴様の負けだ、【腹直筋】の腱鞘を断ち切った。立っているのも、呼吸をするのもやっとだろう?」 「ぐっ、はっ…!はっ…!」 腹の痛みから猫背になり、瞳は酷く困憊していた。 「…ーったな…」 「何?」 江雲寺の呟き。それにロードは呆れを通り越して最早見捨てた。 「もう1度、言ってみろ。戦いをバカにするのも大概に……」 「腹ぁ減った、なぁ……!?」 感情が色濃く篭った呟きは、先程よりもハッキリと聞こえた。 「【ヴァイラス】。」 苛立ち…いや、激情を乗せたロードの詠唱は緑を模した大木の魔力体を走らせた。 ドゴシャッア!! 『ロード選手、容赦なし!!上級の木系魔法でトドメを刺しにかかったぁ!』 メキメキ… 悲鳴にも似た歓声を、ロードは無関心に聞いていた。 「食欲バカが、勝たなければソレすらも満たされん事を知れ。」 メキメキィ… 憤怒の表情の木龍は、江雲寺を潰したまま地面を抉る。 メギィッ…!! 「…?」 だが、ロードの予想に反し。予想外の音が鳴ったー…
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