第13話ーTriDecaー

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ゾウ程の大きさの龍。ソレは低く唸りながら、獲物たる江雲寺を視界に捉える。 「けっ!所詮は剣だろ!?ブチのめしてやるよ!!」 「やってみろ。」 江雲寺は龍の頭目掛けて飛んだ。 「っ…飛べぇ!!」 ドゴォッ! 轟音鳴らす拳は、龍の頭の一つを撃ち抜いた。 一つの頭が大きく仰け反るが、残りの二つの頭がそれぞれの眼をギラリと光らす。 『ギギャァァ!』 ブゥン… 気付くのが遅かった、神経を極限まで高めた江雲寺でさえ、紅龍の尾による鮮撃は目覚ましモノだった。 ドバァァン! 「痛っ……ぇ!!」 今の一撃でさえかなりの破壊力だが、何とか踏み止まる。やはり耐久力も底上げされているようだ。 「【ヴァジュラ】、吹き飛ばせ。」 ギュオォォ… (とぐろ)を巻いて、三頭の口内に魔力が凝集し始めた。 「【トライデント】!!」 ゴウッ!! 三撃の魔力砲は、三頭の顎から勢い良く撃ち出された。 (これは、流石に防げねぇ!) 力勝負に負けを悟ると、地を砕き大きな土壁を投げつけ、勢いを殺しつつ回避した。 「…意外と冷静だな?」 「っ!?」 紅龍だけに集中し過ぎて、本体の存在を忘れていた。 気付けば目前に金髪の少年がいた。 「【ウィッシュボーン】!!」 ジャララ! 数珠繋ぎの銀玉の魔力体は、蛇のように走り江雲寺に巻きついた。 「っ…?何だ、コレ!」 「すまないな、終わらせてもらう。」 「っ…!!」 ロードの宣言は、銀の数珠を刺々しい形状へと変化させた。 「【アイゼン・レイド】!!」 ズバァッ! 江雲寺の全身は鮮血に塗れた。
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