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傷だらけの二人は片や剣を、片や拳を構える。
「負ける事とか、頭にねぇよ。」
「僕は勝つ事しか頭にないさ。」
『…………。』
ごくり。
だれかの生唾を飲む音がした、
バッ!!
一瞬の静寂。そして、次の瞬間にはその場が最高潮にまで沸騰した。
ゴォウッ!
『江雲寺だぁぁ!』
「なっ…!」
速いの一言。それすらも言えぬ速度で江雲寺はロードの虚を突いた。
(こいつ、ここに来て更に速いっ…!!)
ガシぃ。
「な…!」
足でロードの甲を踏み付ける。これでロードはその場から離れられなくなった。
「魔法ブッ放つなら、来いよ。それごとブチ抜いてやる。」
「くっ…!!」
「っおぉぉ…!」
最後の一撃に、最後の力を振り絞り、最後の最後まで余す事なく力を凝縮させた。
「おぉおぉぉぉぉおぉお!!」
「っ……!ちっ。」
ロードは、悔しそうに目を閉じた。
ドゴォォオァォォン!!
爆音の様な、形容し難い叩打音が鳴り響いた。
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