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ロードは、モロに頭を撃ち抜かれ、惨い程に吹き飛んだ。
ドォッ…!
「ロードォォ!!」
「嘘だろっ!?」
大輔、光輝と、仲間達は信じられないと言った表情だった。
「ハァッ…!ハァッ…!どうだ、俺のぉ…勝ちだぁぁぁ!!」
野獣のような雄叫びも、今は勝者の印。全員があのロードを破った強者と讃えた。
拳を突き上げ、血塗れの狂戦士は全員から褒め称えられた事で快感に溺れた。
『よく、やったよ貴様は。』
そう、全員が、江雲寺を褒め称えた。
声の主を確認した江雲寺は、血の気が引いた。
「っ!?おい、嘘だろっ…!!」
「ハー…ァ!ハー…ァ!」
荒く、小刻みに呼吸を繰り返す『カレ』は、汚れた金色の髪を掻き上げ、穢れなき青瞳を江雲寺に向けていた。
全身は痣だらけ、恐らく骨や臓器にも損傷が及んでいるだろう、先程豪拳に撃ち抜かれた頭は痛々しく腫れ、出血していた。
キュイィィンー…!
そんな時、響いた甲高い音。
『こっ、これは!?』
『何と!!ここに来て最上級の魔法!!』
「オイオイ。じょ、冗談だろ…っぐ!!」
限界を通り越した江雲寺は、その場に膝を着く。最早動く事もままならないだろう。
眩い程に両掌の間に収束した黄金の光は、大きく膨張する。
「【神の審判】《ゴッド・ロウ》」
金色に照らされるその顔は、決意に染まっていたー…
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