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ザワザワ…
倒れた二人、会場は騒然とする。
『ぉ、おい、どっちの勝ちになんだよ。』
『10秒以内にどちらも立ち上がらなければ引き分け、両チームにポイントが入るんだ。』
『でも、どっちかが立ち上がれば。そのチームにポイントが加算される。』
冷めてはいない、緊張にも似たシラけが2人を包んでいた。
「ロードォ!立ちやがれ!何やってんだバカ!!」
そんな時、大輔が叫んだ。
「大輔…」
隣のリサは少しだけ面喰らった、それだけ大輔は檄を飛ばしていた。
「お前は負けちゃダメなんだよ!勝って、そんでいつもみてーに偉そうに座ってろよ!お前はそうじゃねぇとダメだろ!なぁオイ!?」
ジャリ…
ロードの指に付いた砂が擦れた。
「っぐ…!」
『あっとぉ!ロード選手、意識があるぞ!?驚異的な精神力だ!!』
『イヤ、ちょっと待って下さい!江雲寺選手も意識があるようですよ!!』
気付けば、2人は立ち上がろうともがいていた。もう意識を失ってもおかしくないのに、凄まじい2人だ。
「ハァハァ!動け、動け…ぇ!」
「っぐお、おぉぉぉ!」
満身創痍、それでも勝ちに手を伸ばす。
男だから。
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