第13話ーTriDecaー

26/27
前へ
/423ページ
次へ
ザワザワ… 倒れた二人、会場は騒然とする。 『ぉ、おい、どっちの勝ちになんだよ。』 『10秒以内にどちらも立ち上がらなければ引き分け、両チームにポイントが入るんだ。』 『でも、どっちかが立ち上がれば。そのチームにポイントが加算される。』 冷めてはいない、緊張にも似たシラけが2人を包んでいた。 「ロードォ!立ちやがれ!何やってんだバカ!!」 そんな時、大輔が叫んだ。 「大輔…」 隣のリサは少しだけ面喰らった、それだけ大輔は檄を飛ばしていた。 「お前は負けちゃダメなんだよ!勝って、そんでいつもみてーに偉そうに座ってろよ!お前はそうじゃねぇとダメだろ!なぁオイ!?」 ジャリ… ロードの指に付いた砂が擦れた。 「っぐ…!」 『あっとぉ!ロード選手、意識があるぞ!?驚異的な精神力だ!!』 『イヤ、ちょっと待って下さい!江雲寺選手も意識があるようですよ!!』 気付けば、2人は立ち上がろうともがいていた。もう意識を失ってもおかしくないのに、凄まじい2人だ。 「ハァハァ!動け、動け…ぇ!」 「っぐお、おぉぉぉ!」 満身創痍、それでも勝ちに手を伸ばす。 男だから。
/423ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2642人が本棚に入れています
本棚に追加