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ドワァァァォ!!
『た、立ち上がったぁぁ!!』
漸くと言った所で、一人がフラめきながらもその足を地に付けた。
「ハァッ…!ハァ、ハァ…!!」
片方は、荒い息を繰り返して、敗北を悟った。
『決まりました!2試合目、勝者は………!!』
喜ぶ余裕もない程に疲弊した、一人の勝者に向けて賞賛を向けた。
『白夜虎学園・江雲寺 良河ぁぁぁ!!』
2試合目には勿体無く凄まじい試合に、会場からは惜しみない拍手が送られた。
「おい!タンカだ!早く!!」
動けなくなったロードは担ぎ上げられ、急いで搬送された。
大輔達のすぐ横を医療班が通る。
「ロード!!」
呼び止めたのは、リサだった。その鋭い呼び掛けに思わず医療班も立ち止まる。
「…何だ、ざまぁみろとでも…言いたいか、リサ。」
手で顔を覆い、ロードは相変わらずツンとして接する。
「フン、その口がキケるなら、大丈夫そうね。」
労いの言葉もなしに、リサは鼻で笑った。
「……よくやったわ、それだけ言っといてあげる。」
「!!」
唇を血が滲む程に噛み締めた。
「一丁前に心配してんじゃないわよ、私達は勝つから、優勝してそのブッサイクなツラ全国ネットで晒してやるわよ。」
「……フン、何を言うかと思えば、結局からかいじゃないか。」
手で顔を覆ったロードの声は、少しだけ震えていた。負けると思っていなかった自信、そして世界を目標とした彼に立ちはだかった強大な敵、ショックは大きいだろう。
「強くなりなさい、男でしょうが。」
母親のような、ブン投げたような励ましに、ロードは一呼吸置いて返した。
「後は、後は任せたっ……!!」
「…当たり前よ。」
医務室に向かった友を、背中越しに見送ったー…
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