第13話ーTriDecaー

27/27
前へ
/423ページ
次へ
ドワァァァォ!! 『た、立ち上がったぁぁ!!』 漸くと言った所で、一人がフラめきながらもその足を地に付けた。 「ハァッ…!ハァ、ハァ…!!」 片方は、荒い息を繰り返して、敗北を悟った。 『決まりました!2試合目、勝者は………!!』 喜ぶ余裕もない程に疲弊した、一人の勝者に向けて賞賛を向けた。 『白夜虎学園・江雲寺 良河ぁぁぁ!!』 2試合目には勿体無く凄まじい試合に、会場からは惜しみない拍手が送られた。 「おい!タンカだ!早く!!」 動けなくなったロードは担ぎ上げられ、急いで搬送された。 大輔達のすぐ横を医療班が通る。 「ロード!!」 呼び止めたのは、リサだった。その鋭い呼び掛けに思わず医療班も立ち止まる。 「…何だ、ざまぁみろとでも…言いたいか、リサ。」 手で顔を覆い、ロードは相変わらずツンとして接する。 「フン、その口がキケるなら、大丈夫そうね。」 労いの言葉もなしに、リサは鼻で笑った。 「……よくやったわ、それだけ言っといてあげる。」 「!!」 唇を血が滲む程に噛み締めた。 「一丁前に心配してんじゃないわよ、私達は勝つから、優勝してそのブッサイクなツラ全国ネットで晒してやるわよ。」 「……フン、何を言うかと思えば、結局からかいじゃないか。」 手で顔を覆ったロードの声は、少しだけ震えていた。負けると思っていなかった自信、そして世界を目標とした彼に立ちはだかった強大な敵、ショックは大きいだろう。 「強くなりなさい、男でしょうが。」 母親のような、ブン投げたような励ましに、ロードは一呼吸置いて返した。 「後は、後は任せたっ……!!」 「…当たり前よ。」 医務室に向かった友を、背中越しに見送ったー…
/423ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2642人が本棚に入れています
本棚に追加