第14話ーTetraDecaー

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頭を抑えて涙目の二人は猛者の面影は微塵もない。 「イデェ…」 「エレンのヤツ、腕上げたな。いや、拳か…」 「バカ晒してないで、アンタ達も探しなさいよ。」 今日は曇りと聞いていたが、この快晴。天気には感謝の一言だ。 「すまないな、エレン。いつもコイツらの世話役を頼んで、いつも助かってるよ。」 「え、本っ当ぉ?そんな対した事はしてないよぉ!私は、ノ…ノアと一緒にいられれば……!」 「?すまない、最後だけ聞き取れなかったんだが。」 「ぃ、いや!何でもない何でもない!探そ?」 紅潮するエレンを後ろに上杉・カイの悪童コンビはケラケラと笑っていた。 ホテル街の最奥まで来たが、まるで手掛かりすらない。これは、このエリアにはいないという事だろうか。 「自警団っつって日本でもトップクラスの東京管区の精鋭だ。数人をたった一人で殺しもせずに全員気絶させる程の実力者…そう簡単には尻尾見せねーか。」 上杉はボヤくが、状況は変わらない。 『待てよ、バルクリン。』 「!!」 そんな時、敵意を多分に含んだ言葉が四人の背後より投げられた。 勢い良く振り返る四人は、カイを除いて瞬時に武器を顕現する。その瞬発力と機転はやはり長年の経験を伺わせる。 立っていたのは、大輔達と同い年くらいの少年。白いパーカーに白いパンツ、今日は白のニット帽を目深に被っており、パーカーも重なって顔は非常に分かりづらい。 少年は濃い影の中、口を開いた。 「【龍神】、【神童】、【狂犬】、【双頭の鷲】、それにお前らが来れば【風神】も付いて来る…」 「……何が言いたい。」 「なぁ、お前ら…」 ノアの問い掛けに、少年はニタリと笑う。 「俺と組まねぇか?一緒に世界を獲ろうぜ。」 『!?』 素っ頓狂な事を言い出した。
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